FXのロット配分の戦略を初心者向けに解説
前回、 LINK0 と資金管理の関係について見てきました。期待値がプラスのルールを、長く繰り返し続けられるように、資金を管理することが大切、という話でしたね。
今回は、その「資金管理」を、もう少し具体的にした、「ロット配分」の戦略について見ていきます。
おさらい:ロットと、資金の関係
初心者ロードマップで、「1回のトレードで、資金の何%まで」という考え方を紹介しました。
たとえば、資金が10万円で、1回のリスクを資金の1%とすると、1回のトレードでの損失は1,000円までになります。この1,000円という金額と、損切りまでの距離(pips)から、ロット数を逆算する、という流れでした。
今回考えたいのは、「資金が増えたり減ったりしたとき、このロット数を、どう調整していくか」という話です。
固定ロットという考え方
一つ目の考え方は、「固定ロット」です。
これは、資金の増減にかかわらず、常に同じロット数で取引する、という方法です。
たとえば、「常に0.1ロットで取引する」と決めたら、資金が増えても減っても、0.1ロットのまま続けます。
固定ロットのメリットは、シンプルで分かりやすいことです。「今回は資金が増えたから、ロットも増やそう」というような、毎回の判断が必要ありません。
ただ、デメリットもあります。資金が減ってきたときに、固定ロットのままだと、「資金に対するリスクの割合」が、相対的に大きくなってしまいます。
これは、初心者ロードマップの「資金管理」のステップで紹介した、「資金が減っているのに、同じ重さの荷物を持ち続けている」状態と、同じ問題です。
資金に応じて調整する、という考え方
二つ目の考え方は、「資金に応じて、ロット数を調整する」方法です。
これは、初心者ロードマップで紹介した「1回のトレードで、資金の何%まで」という考え方を、毎回のトレードで適用する、というイメージです。
- 資金が増えたら → 1%に相当する金額も増えるので、ロット数も少し増やす
- 資金が減ったら → 1%に相当する金額も減るので、ロット数も少し減らす
このように、資金の増減に合わせて、ロット数を調整していく方法です。
2つの方法を、たとえ話で比較してみる
固定ロットと、資金に応じた調整、この2つを、たとえ話で比較してみましょう。
固定ロットは、「毎月、決まった金額のお小遣いを使う」という感覚に近いです。収入が増えても減っても、使う金額は変わりません。シンプルですが、収入が減ったときに、生活への負担が大きくなりやすい、という面があります。
資金に応じた調整は、「収入の、決まった割合(たとえば10%)を、お小遣いとして使う」という感覚に近いです。収入が増えれば、使える金額も増え、収入が減れば、使える金額も減ります。負担の「割合」は、常に一定に保たれます。
資金が増えたとき、ロットを増やすことのリスク
資金に応じてロット数を調整する場合、「資金が増えたら、ロット数も増やす」ということになりますが、ここには、一つ注意点があります。
資金が増えてロット数を増やした直後に、連続して損切りが続くと、「増やした後のロット数」で、連続して損失が出ることになります。これは、「資金が増えたタイミングで、リスクも大きくなっている」ということを意味します。
これに対応するための一つの考え方として、「資金が増えても、ロット数の調整は、ある程度の周期(たとえば1ヶ月ごと)に限定する」という方法があります。毎回のトレードで細かく調整するのではなく、ある期間の結果を見て、「次の期間は、このロット数でいく」というように、調整のタイミングを区切るイメージです。
最初は、固定ロットから始めるのも一つの方法
ここまで、2つの考え方を紹介しましたが、「資金に応じた調整」は、計算もやや複雑になりますし、調整のタイミングなど、考えることも増えます。
検証や記録の習慣が、まだしっかり身についていない段階では、まずは「固定ロット」で、ある程度の期間、トレードを続けてみる、というのも、一つの方法です。
固定ロットで、ある程度の記録が積み重なり、「期待値」も見えてきた段階で、「では、資金に応じた調整を、取り入れてみようか」と、ステップアップしていく。このような順番でも、十分です。
「増やす」より「減らさない」を優先する
最後に、一つ大切な視点をお伝えします。
ロット配分を考えるとき、「どうすれば、もっと早く資金を増やせるか」という視点だけで考えてしまうと、結果的に、リスクの大きい配分になりやすくなります。
それよりも、「連続して負けたとき、どこまでなら、資金が大きく傷つかずに、続けられるか」という視点、つまり「減らさない」という視点を、優先して考えることをおすすめします。
「増やすこと」は、期待値がプラスのルールを、長く続けていれば、結果として、ゆっくりとついてくるものです。資金が大きく傷ついてしまい、続けられなくなることが、一番避けたい事態です。
まとめ
今回は、ロット配分の戦略について見てきました。
固定ロットはシンプルですが、資金が減ったときにリスクの割合が増えやすいという面があります。資金に応じた調整は、リスクの割合を一定に保ちやすいですが、調整のタイミングには注意が必要です。最初は固定ロットから始めて、検証の記録が積み重なってから、調整方法を考えていく、という順番でも十分です。そして、「増やす」より「減らさない」を優先する視点を、大切にしてください。
次回は、最後のテーマとして、「ドローダウン」との付き合い方について見ていきます。


