FXにおける期待値という考え方を初心者向けに解説
前回までのカテゴリで、 LINK0 ・リスクリワード・期待値という数字の計算方法、そしてそれを継続的に検証していく仕組みについて見てきました。
最後のカテゴリでは、こうした検証の結果を、資金管理に、どう活かしていくかを見ていきます。最初のテーマは、改めて「期待値」です。今回は、期待値を「資金管理」の視点から、もう一度見ていきましょう。
おさらい:期待値とは
前のカテゴリで、期待値の計算方法を紹介しました。
期待値 = (勝率 × 平均利益) – (負ける確率 × 平均損失)
期待値がプラスであれば、「1回あたり、平均してこれくらいの利益が期待できる」というルールである、ということでした。
今回は、この「期待値がプラスのルール」を前提に、「では、実際にどれくらいのロットで、どれくらいの回数、トレードしていけばいいのか」という、資金管理の視点から考えていきます。
期待値がプラスでも、すぐに資金が増えるわけではない
ここで、一つ大事な話をします。
期待値がプラスのルールだとしても、それは「毎回、利益が出る」ということではありません。期待値は、あくまで「平均」の話です。
たとえば、期待値が「+60円」のルールでも、実際には、
という、結果のばらつきがあります。期待値は、「このばらつきを、たくさん繰り返したときの、平均的な結果」を示すものです。
「たくさん繰り返す」ことが、前提になる
期待値という考え方は、「1回、2回の結果」ではなく、「ある程度多くの回数を繰り返したとき」に、初めて意味を持ちます。
これは、コインを投げる話で考えると、分かりやすいかもしれません。
コインを1回投げて、「表が出るか、裏が出るか」は、五分五分です。でも、コインを100回、1000回と投げ続ければ、「だいたい半分は表、半分は裏」という結果に、近づいていきます。
期待値がプラスのルールも同じです。1回や2回の結果では、「うまくいった」「うまくいかなかった」という、個別の結果しか分かりません。でも、何十回、何百回と繰り返していくことで、「期待値通りの結果に、近づいていく」という考え方です。
だからこそ、資金管理が重要になる
ここで、初心者ロードマップで紹介した「資金管理」の話と、つながってきます。
「期待値がプラスのルールでも、結果にはばらつきがある」ということは、「短期的には、連続して負けることもある」ということです。
連続して負けたときに、資金が大きく減ってしまったり、ゼロになってしまったりすると、「期待値通りの結果に近づくまで、トレードを続けられなくなってしまう」可能性があります。
つまり、
- 期待値がプラスのルールを見つけること(検証の役割)
- そのルールを、長く繰り返し続けられるように、資金を管理すること(資金管理の役割)
この2つが、両方そろって初めて、「長期的に、期待値通りの結果に近づいていく」という状態が、実現できる、ということなんです。
「期待値」と「資金管理」、どちらが優先?
「期待値がプラスのルールを見つけることと、資金管理を徹底すること、どちらが大事なんですか?」という質問を、よく聞きます。
これは、どちらか一方だけでは、不十分です。
- 期待値がマイナスのルールを、どんなに厳密な資金管理で行っても、長期的には資金は減っていきます
- 期待値がプラスのルールでも、資金管理が甘く、大きすぎるロットで取引していれば、連続して負けたときに、資金が大きく減ってしまい、続けられなくなる可能性があります
両方が、それぞれの役割を果たすことで、「長期的に、資金を増やしていく可能性が高い、トレードの進め方」になっていきます。
ロット数を、期待値の検証結果と結びつける
初心者ロードマップの資金管理ステップで、「1回のトレードで、資金の何%まで」という考え方を紹介しました。
検証によって期待値が見えてくると、この「何%まで」という数字を、より具体的に考える材料が増えます。
たとえば、
- 検証の結果、リスクリワードが「1:2」程度のルールであることが分かった
- このルールで、連続して負ける回数が、過去の検証で最大5回程度だった
- 連続5回負けても、資金へのダメージが大きくなりすぎないように、1回のリスクを資金の1%に設定する
このように、「検証で見えてきた、ルールの特徴」を、資金管理の具体的な数字に反映させていく、というのが、資金管理を「高度化」していく、というイメージです。
まとめ
今回は、資金管理の視点から、期待値について見てきました。
期待値は「平均」の話であり、実際の結果にはばらつきがあります。そのばらつきに資金が耐えられるように管理することと、期待値がプラスのルールを見つけることは、両方が揃って初めて、長期的に意味を持ちます。検証で見えてきたルールの特徴を、資金管理の数字に反映させていくことが、ここでの考え方です。
次回は、この考え方をさらに発展させた、「ロット配分の戦略」について見ていきましょう。


