FXのドローダウンとの付き合い方を初心者向けに解説
これまで、 LINK0 、ロット配分と、資金管理を高度化していくための考え方を見てきました。最後のテーマは、「ドローダウン」です。
ドローダウンという言葉は、初心者ロードマップのリスク管理用語ハブでも、少し触れていましたね。ここで、改めて詳しく見ていきましょう。
ドローダウンって、結局なに?
ドローダウンとは、「資金が、それまでの最大値から、どれくらい減ったか」を表す言葉です。
たとえば、資金が次のように変化したとします。
- 10万円でスタート
- 増えて、12万円になった(これが、これまでの最大値)
- その後、減って、9万円になった
このとき、「12万円から9万円まで減った」という部分が、ドローダウンです。割合で表すと、(12万円 – 9万円) ÷ 12万円 = 25%、つまり「25%のドローダウン」ということになります。
なぜ「最大値からの減少」を見るの?
「スタート時点(10万円)から見て、9万円なら、減ったのは1万円(10%)では?」と思うかもしれません。
ドローダウンが「最大値からの減少」を見るのは、「一番資金が増えていた状態から、今、どれくらい『戻ってきている』か」という感覚を表すためです。
これは、山登りで考えると分かりやすいかもしれません。標高1,200mまで登った後、1,200mから900mまで「下った」場合、それは「300m下った」ということになりますよね。スタート地点(標高1,000m)と比べて、今は900mで「100m低い」というのとは、また別の情報です。
ドローダウンは、「一番高かったところから、どれだけ下りてきているか」という、いわば「下り幅」を表しています。
ドローダウンは、避けられない
ここで、大切なことをお伝えします。
期待値がプラスのルールであっても、ドローダウンが、まったく発生しない、ということはありません。前のカテゴリで、「連続して負けることもある」という話をしましたが、連続して負ければ、当然、資金は一時的に減ります。これが、ドローダウンです。
つまり、ドローダウンは「失敗のサイン」ではなく、「期待値がプラスのルールであっても、当然発生するもの」だと考えてください。
バックテストで、ドローダウンの「目安」を知っておく
ここで、前のカテゴリで紹介したバックテストが、役に立ちます。
バックテストを行う中で、「資金が、それまでの最大値から、どれくらい減った場面があったか」を、記録しておくことができます。
これにより、「このルールでは、過去に、最大でこれくらいのドローダウンが発生していた」という、一つの「目安」を、事前に知っておくことができます。
この目安を知っておくことには、大きな意味があります。実際にトレードをしていて、資金が減ってきたときに、「これは、過去のバックテストでも見られた範囲内の、想定されるドローダウンなのか」「それとも、これまで見たことのない、想定外の減り方なのか」を、判断する材料になるからです。
ドローダウン中の「気持ち」とどう付き合うか
ドローダウンが発生しているとき、つまり資金が減っている期間は、当然、気持ちが落ち込みやすい時期でもあります。
ここで、初心者ロードマップの「メンタルコントロール」のステップで紹介した内容が、つながってきます。
「ルールに沿って行動した結果、ドローダウンが発生している」のであれば、それは「ルール通りの結果」です。一方で、ドローダウン中に、「早く取り返したい」という気持ちから、ロット数を増やしたり、ルールにない場面でエントリーしたりすると、ドローダウンが、さらに深くなってしまう可能性があります。
ドローダウンが発生しているときこそ、「ルールに沿っているか」を、いつもより意識して、記録に残しておくことが大切です。
ドローダウンが、目安を超えてきたら
バックテストで知っておいた「想定されるドローダウンの目安」を、実際のドローダウンが超えてきた場合は、どうすればいいでしょうか。
これは、「すぐにルールを変える」というよりも、まず「立ち止まって、記録を見直す」タイミングだと考えてみてください。
- 直近のトレードは、ルールに沿って行われていたか
- もし、ルールから外れたトレードがあったなら、それが、想定以上のドローダウンに影響していないか
- もし、ルールに沿っていたにもかかわらず、想定以上のドローダウンが発生しているなら、それは「市場の状況が、これまでと変わってきている」可能性があるサインかもしれない
このように、「ドローダウンが目安を超えた」という事実を、「立ち止まって確認するきっかけ」として使うことが、ドローダウンとの、健全な付き合い方になります。
ドローダウンからの「回復」を急がない
最後に、もう一つ大切な視点です。
ドローダウンが発生しているとき、「早く、元の資金に戻したい」という気持ちは、自然なものです。ですが、その気持ちから、ロット数を大きくして、一気に取り返そうとするのは、多くの場合、さらに大きなドローダウンにつながるリスクがあります。
ドローダウンからの回復は、「ルールに沿ったトレードを、いつも通り、淡々と繰り返す」ことの積み重ねによって、ゆっくりと進んでいくものです。期待値がプラスのルールであれば、繰り返していくことで、長期的には、回復していく可能性が高いと考えられます。「急いで取り返す」のではなく、「いつも通りを、続ける」という姿勢が、ここでも大切になります。
まとめ
今回は、ドローダウンとの付き合い方について見てきました。
ドローダウンは「資金の最大値からの下り幅」を表すもので、期待値がプラスのルールでも、避けられないものです。バックテストで「想定される目安」を知っておき、実際のドローダウンが目安を超えてきたら、「立ち止まって記録を見直すきっかけ」として使う。そして、回復を急がず、いつも通りのルールを、淡々と続けていく姿勢を持つことが大切です。
これで、「資金管理を高度化する」カテゴリ、そして中級者向けハブの全体が終わりました。初心者ロードマップから、ここまで、本当に多くの考え方を一緒に見てきましたね。これらの考え方を、実際のトレードの中で、何度も繰り返しながら、自分自身のものにしていってください。

