ヒストリカルボラティリティとは?意味・読み方を美容師トレーダーが解説【FX用語集】
「最近このペア、動いてるな」という感覚を数字にしたのがヒストリカルボラティリティだ。
過去の価格変動の実績値として、相場の「暴れ具合」を定量化する。
意味・読み方
読み方:ひすとりかるぼらてぃりてぃ
簡単に言うと:過去の価格変動から計算した「実際にどれだけ動いたか」の数値
もう少し詳しく:一定期間の価格変化率の標準偏差を年率換算したもの。
ATRが値幅ベースでの変動を見るのに対し、HVは対数収益率ベースで計算するため、統計的な分布を扱う局面(オプション価格計算など)で使われることが多い。
別名・類似語・略称
| 表現 | 補足 |
|---|---|
| HV | 略称 |
| 過去ボラ | トレーダー間での口語表現 |
| リアライズドボラティリティ | Realized Volatility。同義 |
| インプライドボラティリティ(対義語) | IV。オプション市場が「これから」の変動を予想したもの |
計算式
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 日次収益率 | ln(当日終値 ÷ 前日終値) |
| 2. 標準偏差 | N期間の日次収益率の標準偏差 |
| 3. 年率換算 | 標準偏差 × √252(年間取引日数) |
N期間は通常20〜30日。
設計の意図を読む
なぜ単純な値幅ではなく「対数収益率の標準偏差」なのか。
価格の絶対値ではなく収益率(変化率)を使うのは、「100円から101円の変化」と「10円から10.1円の変化」が同じ1%の変動であることを正確に扱うためだ。
絶対値ベースだとスケールに引きずられるが、対数収益率なら価格水準に関係なく「相対的な変動の大きさ」を比較できる。
年率換算(×√252)するのは、異なる期間のHVを同一スケールで比較できるようにするためだ。
ATRとは異なり、単純な「今日の値幅」ではなく「変動の散らばり具合」を統計的に測ろうとした設計がHVの本質だ。
実践での使い方
ボジションサイズの調整:HVが高い(相場が荒れている)ときは、損切り幅が大きくなりやすいためロットを減らす。
HVが低いときは小さな値幅での損切りが設定しやすい。
**ATRとの使い分け**:ATRは直近の実態的な値幅を見るのに適し、HVは統計的な変動の幅を見るのに適している。
ATRはエントリー・損切り幅の設定、HVは相場環境の認識に向いている。
よくある誤解・勘違い
「HVが高い=これから大きく動く」という誤解をしていた時期がある。
HVは「過去」の変動を測る後ろ向きの指標だ。
「これから」の変動を予測するのはインプライドボラティリティ(IV)の領域で、HVはあくまでも「直近はこれだけ動いていた」という実績値だ。
HVが高くても相場が落ち着くことはあるし、HVが低いときにブラックスワン的な動きが起きることもある。


