複数の時間軸でエントリー根拠を確認する(MTF分析)
前回、自分の LINK0 を言語化する、という話をしました。その中で、「どの時間軸で、トレンドを判断するのか」という項目が出てきましたが、覚えていますか?
今回は、この「時間軸」をもう少し深く掘っていきます。複数の時間軸を組み合わせてチャートを見る、「MTF分析(マルチタイムフレーム分析)」という考え方です。
初心者ロードマップでも、「時間軸によって見える景色が変わる」という話をしました。今回は、その「違う景色」を、どう組み合わせて使うのか、一緒に見ていきましょう。
おさらい:時間軸によって、見える景色が変わる
最初に、初心者ロードマップでお話しした内容を、簡単におさらいしておきます。
- D1(1日)で見ると → 大きな流れが分かる
- H1(1時間)で見ると → 中くらいの流れが分かる
- M5(5分)で見ると → 細かい動きが分かる
これを、「地図」と「今いる場所」のたとえで説明しました。大きい時間軸が地図、小さい時間軸が今いる場所、というイメージでしたね。
MTF分析は、この「地図」と「今いる場所」を、実際に組み合わせて使っていく方法です。
3つの時間軸を、役割分担させる
MTF分析では、よく3つの時間軸を、それぞれ違う役割で使います。
上位時間軸:大きな方向性を確認する
たとえばD1やH4。ここでは、「全体として、トレンドはどっちに向かっているか」を確認します。
中位時間軸:エントリーの準備を確認する
たとえばH1。上位時間軸で確認した方向に対して、「今、価格はどういう状態にあるか」(たとえば、上昇トレンドの中で、一時的に下がっている、など)を確認します。
下位時間軸:エントリーのタイミングを確認する
たとえばM15やM5。中位時間軸で「準備ができている」と判断した場面で、「実際に動き出したタイミング」を、より細かく確認します。
たとえ話で考えてみましょう
これも、たとえ話で考えると分かりやすくなります。
あなたが、遠くの目的地まで旅行に行くとします。
- まず、地図全体を見て、「どの方向に進むか」を確認する(上位時間軸)
- 次に、その方向の中で、「今、どの道を通っているか」を確認する(中位時間軸)
- 最後に、「今、目の前の信号は green かどうか」を確認して、実際に足を踏み出す(下位時間軸)
大きな方向性を見失わないようにしながら、最後の「足を踏み出すタイミング」は、より細かいレベルで確認する。これが、MTF分析の基本的な考え方です。
実際にチャートで確認してみましょう
MT5で、実際にMTF分析を試してみましょう。
- H4のチャートを開き、移動平均線の傾きやトレンドラインから、全体の方向性を確認する
- 同じ通貨ペアのH1チャートを開き、その方向に対して、今の価格がどういう位置にあるか(トレンドに沿って戻している場面か、など)を確認する
- M15のチャートを開き、H1で見た「準備ができている場面」で、実際に動き出すサインがあるかを確認する
最初は、「3つの時間軸を、行ったり来たりする」という操作自体に、少し慣れが必要かもしれません。何度か繰り返していくと、「H4はこういう状態、H1はこういう状態、M15はこういう状態」というのを、セットで捉えられるようになってきます。
時間軸同士で、判断が一致しないときは?
MTF分析をしていると、「H4では上昇トレンドだけど、H1では下降しているように見える」というように、時間軸ごとの判断が、一致しない場面に出会うことがあります。
これは、よくあることです。前回のステップでお話しした「大きな上昇トレンドの中に、小さな下降の動きが混ざっている」という状態そのものです。
このような場面では、「今は、無理にエントリーする場面ではない」と判断するのも、立派な選択です。MTF分析は、「エントリーするための根拠」を探す作業であると同時に、「エントリーしない根拠」を見つける作業でもあります。
すべての場面でエントリーする必要はない、ということを、ここで改めて意識しておいてください。
ルールに、時間軸の役割を書き加える
前回作成した、自分のトレードルールに、今回の内容を書き加えてみましょう。
たとえば、
- 「H4で、上昇トレンドであることを確認する」(上位時間軸)
- 「H1で、価格が一時的に下がって、移動平均線に近づいていることを確認する」(中位時間軸)
- 「M15で、価格が再び上昇方向に動き出したことを確認したら、エントリーする」(下位時間軸)
このように、それぞれの時間軸に「役割」を与えることで、ルールが、より具体的で、再現性のあるものになっていきます。
まとめ
今回は、複数の時間軸を組み合わせて見る、MTF分析について見てきました。
上位時間軸で大きな方向性を、中位時間軸で準備状況を、下位時間軸でタイミングを確認する。この役割分担を意識することで、エントリーの根拠が、より具体的になります。また、時間軸同士の判断が一致しないときは、「エントリーしない」という選択も、大切な判断の一つです。
次回は、このMTF分析の土台にもなる、「環境認識」という考え方について、一緒に見ていきましょう。


