J・ウェルズ・ワイルダーとは?意味・読み方を美容師トレーダーが解説【FX用語集】
RSIを使い始めて、「なんでこのインジがこういう数値を出すのか」が気になって開発者を調べた。
J・ウェルズ・ワイルダーという人物で、1978年に出版した一冊の本でRSI・ATR・ADX・パラボリックSARという現代のテクニカル分析の柱を一気に世に出した。
一人の人間がこれほど多くの標準ツールを生んだという事実は、テクニカル分析の歴史の中でも特異な存在だ。
意味・読み方
読み方:じぇい・うぇるず・わいるだー
簡単に言うと:RSI・ATR・ADX・パラボリックSARなど現代のテクニカル分析の基礎となる指標を開発したアメリカの相場師・著述家。
もう少し詳しく:J・ウェルズ・ワイルダー(J. Welles Wilder Jr.)は1935年生まれのアメリカの相場師・エンジニアで、1978年に出版した「New Concepts in Technical Trading Systems(テクニカル・トレーディング・システムの新概念)」という一冊の本でRSI・ATR・Directional Movement System(ADX/DMI)・パラボリックSARを一挙に発表した。
これらは現在も世界中のトレーダーが日常的に使う標準的な指標として生き続けている。
別名・類似語・略称
| 表現 | 補足 |
|---|---|
| J. Welles Wilder | 英語表記 |
| Welles Wilder | 苗字部分のみで呼ばれることが多い |
| RSI発明者 / ATR発明者 | 代表的な業績で識別される |
主な開発指標と設計思想
RSI(相対力指数):14期間という数値は「過去2週間(当時の週7営業日×2)のサイクル」から来ている。
「一定期間の上昇力と下降力の比」という単純だが強力な発想で、モメンタムを0〜100に正規化した。
ATR(平均真の値幅):「ギャップを含めた真のボラティリティ」を測るために、単純な高値−安値ではなく「前日終値との差」も含めた真の値幅(True Range)を定義し、その移動平均を取った。
スリッページや相場の荒さを定量化する画期的な設計だった。
ADX(平均方向性指数):「トレンドが出ているか・出ていないか」を方向は問わずに強さだけで測る指標。
「+DI・−DI・ADX」という3本の組み合わせは、方向性とその強さを同時に把握できる複合的な設計だ。
パラボリックSAR:「Stop And Reverse(反転して止める)」の略で、常にポジションを持ち続けるという前提で設計されたトレーリングストップシステム。
「加速因子(AF)」という概念を導入してトレンドが加速するほどSARが急接近する設計は独創的だ。
ワイルダーが重視したこと
ワイルダーの指標に共通するのは「実際の相場の動きを正確に数値化する」という姿勢だ。
RSIは「相対的な力の比」、ATRは「真のボラティリティ」、ADXは「トレンドの純粋な強さ」を抽出しようとしている。
すでに知られていた概念(高値安値・移動平均)を使いながら、それを「より正確に相場の実態を表す形に再定義」した点がワイルダーの独創性だと思う。
指数移動平均「ワイルダーのEMA」
ワイルダーは独自の平滑化手法(ワイルダーのスムージング)を使っている。
RSIやATRの計算で使われるこの平滑化は、一般的なEMAとは少し計算が異なり、N期間のワイルダーEMAは一般的な2N−1期間のEMAにほぼ相当する。
そのためRSI(14)は実質的に27期間のEMAに近い感応度を持つ。
よくある誤解・勘違い
「RSIの70・30という数値は絶対的なもの」と思っていた時期がある。
ワイルダー自身は70・30を「目安」として提示したが、相場環境によって80・20に変えることも示唆していた。
「開発者が決めた基準値だから変えてはいけない」という思い込みがあったが、ワイルダーの本を読むと「汎用的な数値として提示したが、調整して使うことを想定している」というニュアンスが伝わる。


