デュアルモメンタムとは?意味・読み方を美容師トレーダーが解説【FX用語集】
「モメンタムを二重に確認する」という発想がなぜ強力なのか。
設計の根拠を知ると、使い方が変わる。
意味・読み方
読み方: デュアルモメンタム
簡単に言うと:
「絶対モメンタム」と「相対モメンタム」を組み合わせて売買判断をする手法・考え方のこと。
もう少し詳しく:
デュアルモメンタムは、ゲイリー・アントナッチが著書『デュアル・モメンタム投資法』(2014年)で体系化した手法。
元々は株式の長期投資向けだが、FXにも応用される。
「相対モメンタム」で複数の資産の中から最も強いものを選び、「絶対モメンタム」でその資産が現金(またはリスクオフ資産)より強いかどうかを確認する。
二段階フィルターによって、下落局面への過剰なさらし(ドローダウン)を抑えながらトレンドに乗る設計になっている。
別名・類似語・略称
| 表現 | 補足 |
|---|---|
| Dual Momentum | 英語表記。アントナッチの書籍タイトルそのまま |
| デュアルモメンタム戦略 | 手法全体を指す文脈で |
| 二重モメンタム | 直訳。会話ではあまり使わない |
計算と構造
二段階フィルターの仕組み
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 相対モメンタム | 複数の対象資産のリターンを比較し、最も強い(上昇率が高い)ものを選ぶ |
| 絶対モメンタム | 選んだ資産が「現金(短期国債や安全資産)のリターン」より上かどうか確認する |
| 判断 | 絶対モメンタムが正 → 選ばれた資産にロング。負 → リスクオフ資産へ退避 |
モメンタムの計算例(12ヶ月ルックバック)
リターン =(現在の価格 ÷ 12ヶ月前の価格)− 1
この「過去何ヶ月のリターン」をベースに強弱を比較する。
期間はルールの設計次第で変わるが、長期では6〜12ヶ月、FXの短期応用では数週間〜1ヶ月のケースもある。
「なぜ二つのフィルターが必要なのか」
相対モメンタムだけでは「一番マシな資産」を常に持ち続ける。
下落相場でも”その中で最も下がりにくいもの”を保有してしまう。
絶対モメンタムは「そもそも持っていていいか」というゲートキーパーで、市場全体が弱いときに現金に逃げる判断を与える。
これが「デュアル(二重)」という名前の本質だ。
強い資産を選ぶだけでなく、「持つ vs 持たない」の判断も組み込んだことで、ドローダウンを大幅に抑えながらトレンドフォローの恩恵を受けられる設計になっている。
よくある誤解・勘違い
「デュアルモメンタムって短期トレードにも使える?」
そのまま使おうとして失敗した。
アントナッチの元の設計は月次リバランスの長期投資向けで、12ヶ月ルックバックが前提。
これをFXの日足や週足に当てはめても、シグナルの頻度・精度が設計と合わない。
FXに応用する場合は、ルックバック期間・リバランス頻度・対象ペアの選定を別途設計し直す必要がある。
「概念を借りる」のと「そのまま移植する」のは別の話だと痛感した。
関連用語
- モメンタム ― 価格の勢いを示す概念・指標全般
- RSI ― モメンタム系指標の代表例


