ジョージ・ソロスとは?意味・読み方を美容師トレーダーが解説【FX用語集】
「イングランド銀行を打ち負かした男」という異名を持つトレーダーがいる。
1992年、たった一人のファンドマネージャーが中央銀行に喧嘩を売り、実際に勝ってしまった。
それがジョージ・ソロスだ。
意味・読み方
読み方:ジョージ・ソロス
簡単に言うと:世界最大規模のヘッジファンドを率い、1992年のポンド売り投機で歴史に名を刻んだ伝説的な投資家・トレーダー
もう少し詳しく:George Soros(1930〜)。
ハンガリー系ユダヤ人としてブダペストに生まれ、第二次大戦を生き延びてイギリスへ渡り、やがてアメリカで投資家として台頭。
1969年にクォンタム・ファンドを設立し、マクロ経済の方向性を見て大規模なポジションを取る「マクロ投資」スタイルで巨大な富を築いた。
哲学者カール・ポパーに師事した経歴も持ち、自身の投資哲学「リフレクシビティ理論」を著書で体系化している。
別名・類似語・略称
| 表現 | 補足 |
|---|---|
| George Soros | 英語表記 |
| イングランド銀行を打ち負かした男 | black-wednesday(暗黒の水曜日)での功績から |
| クォンタム・ファンド | ソロスが率いたヘッジファンドの名称 |
| reflexivity(リフレクシビティ理論) | ソロス独自の市場理論 |
1992年「暗黒の水曜日」の全貌
1992年、イギリスはERM(欧州為替相場メカニズム)に加盟し、ポンドの対マルク相場を一定範囲内に維持することを義務付けられていた。
しかしイギリスの経済状況はその固定レートを維持できるほど強くなく、市場では「ポンドはいつか切り下げられる」という観測が広がっていた。
ソロスはこの「矛盾」を見抜いた。
彼のクォンタム・ファンドは100億ドル超のポンド売りポジションを構築した。
イングランド銀行は金利を15%まで急騰させ、ポンド買い介入を繰り返したが、資金力が尽きて防衛を断念。
9月16日、イギリスはERMからの離脱を余儀なくされ、ポンドは急落した。
この一日でソロスは10億ドル以上の利益を得たとされる。black-wednesday(暗黒の水曜日)と呼ばれるこの出来事は、ヘッジファンドが中央銀行を打ち負かした象徴的な事件として歴史に刻まれた。
リフレクシビティ理論とは
ソロスの投資哲学の核心がreflexivity(リフレクシビティ=再帰性)理論だ。
簡単に言えば「市場参加者の認識が市場の現実をつくり、その現実がまた認識を変える」という思想だ。
通常の経済理論は「市場は均衡に向かう」と仮定するが、ソロスは逆の立場を取る。
「参加者の偏った認識(バイアス)が相場を均衡から遠ざける方向に動かし続ける」という考え方で、バブルの形成と崩壊を説明する枠組みとなっている。
macro-trading(マクロ投資)というスタイルはまさにこの理論の実践で、「みんなが気づいていない矛盾を見つけて、その矛盾が解消される方向に大きく張る」というやり方だ。
よくある誤解・勘違い
「ソロスのような投機的な売りは悪だ」という批判は当時も今もある。
俺自身も最初はそう思っていた。
でも考えてみると、ソロスは「矛盾した政策に逆張りしただけ」という見方もできる。
固定レートを維持できない経済の現実から目を背けていたのはイギリス政府の方で、ソロスはその矛盾を価格に反映させる役割を果たしたとも言える。
良し悪しはともかく、「市場は常に正しい方向へ動く」という相場の論理に従えば、ソロスの行動は一貫している。
関連用語
- reflexivity(リフレクシビティ理論):ソロスが著書で体系化した独自の市場理論
- macro-trading(マクロ投資):ソロスが実践したマクロ経済を根拠に大規模ポジションを取るスタイル
- black-wednesday(暗黒の水曜日):1992年9月16日のポンド危機。ソロスが利益を上げた歴史的事件


