「価格が上がってるから、みんなが買う。
みんなが買うから、もっと価格が上がる」。
これ、よくニュースとかで聞くフレーズですが、これがまさに再帰性理論の核心です。
投資家の有名な考え方として、 の世界では知っておいて損はない概念です。
意味・読み方
読み方:さいきせいりろん
簡単に言うと:「人々の考えや行動が現実(価格)を変え、その変わった現実がまた人々の考えや行動を変える」という、お互いに影響を与え合うループのことです。
もう少し詳しく:通常の経済学では「価格は事実(ファンダメンタルズ)を反映する」という前提がありますが、再帰性理論では「人々の認識(思い込みや期待)そのものが価格を動かし、その価格の変化がさらに人々の認識を変える」という、認識と現実が互いにフィードバックし合う関係に注目します。
ジョージ・ソロスが提唱した考え方として知られています。
別名・類似語・略称
| 表現 | 補足 |
|---|---|
| Reflexivity | 英語表記 |
| フィードバックループ | ループ構造を強調した言い方 |
トレードにどう活きるか
再帰性理論を知っておくと、「なぜトレンドが続くのか」「なぜバブルが膨らむのか」が腑に落ちやすくなります。
たとえば円安が進むと、それを見た企業や投資家が「もっと円安が進むかも」と考えて円を売る。
その売りがさらに円安を進める。
最初は小さなきっかけだったものが、認識と価格の往復によって大きな流れに育っていくわけです。
逆にこの構造を理解していると、「ファンダメンタルズ的にはおかしいのに、なぜこんなに伸びるんだろう」という相場でも、慌てて逆方向に賭けるのではなく、「今は認識が現実を作っているフェーズなんだな」と一歩引いて見られるようになります。
ただし、このループは永遠には続きません。
どこかで認識と現実のギャップが大きくなりすぎると、今度は逆方向のフィードバックループが始まり、それが急激な反転(バブル崩壊やトレンド転換)として現れることが多いとされています。
実践での使い方
再帰性理論そのものを使って具体的な売買サインを出すわけではありませんが、「今のトレンドは、ファンダメンタルズに支えられているのか、それとも認識と価格の自己強化ループによるものなのか」を考えるクセをつけることで、トレンドの後半でのエントリーや、急な反転への警戒感を持ちやすくなります。
よくある誤解・勘違い
正直に言うと、私はこの理論を最初「なんかカッコいい話だけど、実際のトレードには関係ないでしょ」と思って軽く読み流していました。
でも、あるとき強いトレンドに乗って利益が伸びていたとき、「このトレンドはまだ続く」という確信がどんどん強くなって、ポジションを大きくしてしまったんです。
後から振り返ると、そのトレンドはまさに「みんなが買うから上がる、上がるからみんなが買う」という再帰的なループの中にいて、ファンダメンタルズの裏付けはすでに薄くなっていました。
結果は急な反転で、増やしたポジション分がそのまま損失に。
「自分が確信を強めているとき、それは本当に根拠が増えているのか、それともみんなと同じ認識のループに自分も巻き込まれているだけなのか」を区別する視点がなかったことが、一番の反省点でした。


