通貨危機とは?意味・読み方を美容師トレーダーが解説【FX用語集】
国の通貨が急落し、経済秩序が根底から揺らぐ現象。
歴史はこれを何度も繰り返してきた。
意味・読み方
読み方: つうかきき
簡単に言うと:
ある国の通貨が急激に価値を失い、経済が深刻なダメージを受ける状態のこと。
もう少し詳しく:
通貨危機とは、投機的な売り圧力や資本流出、外貨準備の枯渇などにより、ある国の通貨が短期間に大幅に減価する現象を指す。
固定相場制を維持できなくなった国が為替レートを切り下げるケースや、変動相場制下でも急激な通貨安が止まらないケースが代表的。
金融システムへの連鎖的な打撃を伴うことが多く、経済危機・債務危機と複合して発生する。
別名・類似語・略称
| 表現 | 補足 |
|---|---|
| Currency Crisis | 英語表記 |
| 為替危機 | ほぼ同義。通貨危機より金融市場寄りのニュアンス |
| 通貨暴落 | より口語的。ニュース等で使われる |
主な歴史的事例
1992年 ポンド危機(英国)
ジョージ・ソロスらによる大規模な英ポンド売りにより、英国は欧州為替メカニズム(ERM)から離脱を余儀なくされた。
ソロスは10億ドル超の利益を得たとされる。
「イングランド銀行を潰した男」という表現はここから来ている。
1997年 アジア通貨危機
タイバーツの切り下げを発端に、インドネシア、韓国、マレーシアなどへ連鎖。
IMFによる緊急融資と構造改革要求が各国に波及した。
固定相場制の脆弱性とホットマネーの危険性を世界に示した事例として、教科書的に参照される。
1998年 ロシア財政危機
原油安と財政悪化が重なり、ロシアはルーブルの大幅切り下げとデフォルト(債務不履行)を宣言。
LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)の破綻にも連鎖し、グローバルな金融システムへの波紋を広げた。
2018年 トルコリラ危機
経常赤字の拡大と中央銀行の独立性への懸念から、トルコリラが年間で約40%下落。
政治的圧力による利上げ抑制が市場の信認を損なった例として記録されている。
通貨危機が起きるメカニズム
通貨危機の発生経路は大きく三つに整理できる。
第一世代モデル(ファンダメンタルズ悪化型)
財政赤字や経常赤字の拡大により外貨準備が枯渇し、固定相場の維持が不可能になる。
第二世代モデル(自己実現型)
市場参加者が「この国は通貨を防衛できない」と信じた時点で売りが殺到し、その予測が現実になる。
ソロスのポンド売りはこの構造を利用した側面がある。
第三世代モデル(バランスシート型)
銀行・企業部門のドル建て債務が膨張した状態で通貨安が起きると、実質的な債務負担が急増し金融システム全体が毀損される。
アジア通貨危機の分析で発展したモデル。
FXトレードとの関係
通貨危機は通常のトレードとはスケールが異なる価格変動を引き起こす。
トルコリラやアルゼンチンペソなどの新興国通貨ペアを取引する際には、ファンダメンタルズの変化に対して常に注意が必要となる。
また、危機の連鎖は「リスクオフ」の流れを通じて主要通貨にも波及するため、円高・ドル高といった動きとしてメジャー通貨に影響が出ることもある。
関連用語
- 介入 ― 通貨危機時に中央銀行・政府が行う為替市場への直接介入
- ブラックスワン ― 通貨危機はしばしばブラックスワン的事象として扱われる


